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学会レポートCongress Report

ASH2017 Late Breaking Abstracts Session ASH2017の中で最もエキサイティングかつ世界的な注目を集める最新の話題について紹介されるLate Breaking Abstracts Session。腫瘍関連疾患および非腫瘍関連疾患あわせて75演題以上のノミネート演題から6演題が選ばれた。ここでは、そのなかでも特に注目された4演題について紹介する。

LBA #6 Edoxabanによるがん合併のVTEの治療は、標準治療薬であるDalteparinに対して有効性・安全性ともに非劣性であることが明らかに ―無作為化オープンラベル試験(Hokusai-VTE Cancer Study)より― A Randomized, Open-Label, Blinded Outcome Assessment Trial Evaluating the Efficacy and Safety of LMWH/Edoxaban Versus Dalteparin for Venous Thromboembolism Associated with Cancer: Hokusai VTE-Cancer Study

Gary E. Raskob(College of Public Health, University of Oklahoma College of Public Health, Oklahoma City, OK, USA)

静脈血栓塞栓症(VTE)は、深部静脈血栓症(DVT)と肺血栓塞栓症(PE)を合わせた疾患概念で、がん患者で発症しやすく、死亡原因の一つとなっている。ACCP、ASCO、ESMOなどのガイドラインでは初期から低分子量ヘパリン(LMWH)による治療が推奨されている。その一方で、欧米での標準治療薬であるDalteparinは連日の皮下投与が必要であり、患者および医療関係者の負担も大きい。