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学会レポートCongress Report

ASH2017 Late Breaking Abstracts Session ASH2017の中で最もエキサイティングかつ世界的な注目を集める最新の話題について紹介されるLate Breaking Abstracts Session。腫瘍関連疾患および非腫瘍関連疾患あわせて75演題以上のノミネート演題から6演題が選ばれた。ここでは、そのなかでも特に注目された4演題について紹介する。

LBA #1 aTTPに対するCaplacizumabの高い効果が明らかに ―多国間ランダム化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験(Hercules Study)より― Results of the Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Phase 3 Hercules Study of Caplacizumab in Patients with Acquired Thrombotic Thrombocytopenic Purpura

Marie Scully(Department of Haematology, University College London Hospitals NHS Trust, London, United Kingdom)

後天性血栓性血小板減少性紫斑病(aTTP)は、自己抗体によって超巨大フォンウィルブランド因子(vWF)切断酵素ADAMTS13が著減することで超巨大vWF重合体に血小板が凝集し、血小板減少、微小血管症性溶血性貧血および生命を脅かす合併症を伴う多臓器虚血を引き起こす疾患である。主な治療法は、連日の血漿交換(PE)と免疫抑制療法であるが、微小血栓に起因する死亡と合併症の発生率は依然として高い。