血液専門医と医療関係者のための情報サイト「ヘマトパセオ」

血液学の最新論文(2024年7月後半〜9月前半分) すべて見る

新着記事What's New

最新の血液疾患解説Comments On Hematology
造血器腫瘍ゲノム医療の実装化に向けて特集造血器腫瘍ゲノム医療の実装化に向けて責任編集:坂田(柳元)麻実子(筑波大学 医学医療系 血液内科 教授)2024.09.192024年3月に造血器腫瘍遺伝子パネル検査が承認申請され、臨床実装に向けた準備が進んでいる。わが国で独自に開発された遺伝子パネルであり、承認されれば多くの造血器腫瘍の診断や予後予測、治療法の選択に活用されることが期待されている。ここでは、わが国独自の造血器腫瘍遺伝子パネル検査の開発に至る経緯と社会実装に向けた課題、ゲノムプロファイリングの有用性と臨床応用における課題、そして生殖細胞系列バリアントの検出とそのフォローという、造血器腫瘍遺伝子パネル検査に関わる3つの重要なテーマを取り上げ、それぞれの専門家に解説いただいた。
最新の血液疾患解説Comments On Hematology
生殖細胞系列バリアントの検出とその対応 二次的所見は家族の健康管理にも有用な情報特集造血器腫瘍ゲノム医療(3)2024年3月に造血器腫瘍遺伝子パネル検査が承認申請され、臨床実装に向けた準備が進んでいる。わが国で独自に開発された遺伝子パネルであり、承認されれば多くの造血器腫瘍の診断や予後予測、治療法の選択に活用されることが期待されている。
ここでは、わが国独自の造血器腫瘍遺伝子パネル検査の開発に至る経緯と社会実装に向けた課題、ゲノムプロファイリングの有用性と臨床応用における課題、そして生殖細胞系列バリアントの検出とそのフォローという、造血器腫瘍遺伝子パネル検査に関わる3つの重要なテーマを取り上げ、それぞれの専門家に解説いただいた。
(責任編集 坂田(柳元)麻実子)
生殖細胞系列バリアントの検出とその対応 二次的所見は家族の健康管理にも有用な情報加藤元博(東京大学大学院 医学系研究科小児医学講座 小児科学分野)2024.10.10造血器腫瘍遺伝子パネル検査の臨床実装に向けた準備が進んでいる。遺伝子パネル検査の目的は、腫瘍細胞の体細胞変異の検出であるが、ゲノムプロファイリング検査では生殖細胞系列の病的バリアントが見つかることがあり、その頻度は従来の想定よりも高頻度である。本来の検査の目的ではない二次的所見が検出されたとき、これまでは偶発的に見つかったものとして考えられていたが、それらは必然的な所見であるだけでなく、本人や家族の健康管理に関する情報であり、これを生かしたフォローが求められている。
学会レポートCongress Report
WHO分類第5版とICCのリンパ腫新分類が診断に及ぼす有用性を検討第64回日本リンパ網内系学会総会レポート① シンポジウム1「リンパ腫新分類:実用的な観点から」WHO分類第5版とICCのリンパ腫新分類が診断に及ぼす有用性を検討2024.10.102022年に悪性リンパ腫の新たな分類として、WHO分類第5版とICC(International Consensus Classification)が相次いで公表された。シンポジウム1「リンパ腫新分類:実用的な観点から」では、ICCを構築したキーパーソンによる両分類の違い、新たな分類によるB細胞リンパ腫やT/NK細胞リンパ腫における実臨床での診断での有用性などが論じられた。
この論文に注目!Focus On
2024年10月の注目論文(Vol. 1)2024年10月の注目論文(Vol. 1)柴山浩彦(国立病院機構 大阪医療センター 血液内科科長/輸血療法部長)2024.10.10血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2024年10月分(Vol. 1)は、柴山浩彦氏が担当します。
学会レポートCongress Report
第86回日本血液学会学術集会のみどころ 再会した仲間とのつながりをさらに深める会に第86回日本血液学会学術集会のみどころ 再会した仲間とのつながりをさらに深める会に2024.10.03第86回日本血液学会学術集会が、2024年10月11〜13日の3日間、国立京都国際会館(京都市)で開催される。京都での開催は2020年の第82回学術集会以来、4年ぶりとなるが、そのときは新型コロナウイルス感染症の拡がりを受けてWeb開催であった。今回は、対面開催となった前回の流れを受ける形で学術集会の準備が進められている。会長を務める京都大学の高折晃史氏に、学術集会のみどころをうかがった。
血液学の最新論文New Reports On Hematology
2024年7月後半〜9月前半分を掲載しました2024年7月後半〜9月前半分を掲載しました2024.10.03
最新の血液疾患解説Comments On Hematology
ゲノムプロファイリングにより、治療薬選択のみならず、より正確な診断と予後予測に基づく精緻な治療法選択が可能に特集造血器腫瘍ゲノム医療(2)2024年3月に造血器腫瘍遺伝子パネル検査が承認申請され、臨床実装に向けた準備が進んでいる。わが国で独自に開発された遺伝子パネルであり、承認されれば多くの造血器腫瘍の診断や予後予測、治療法の選択に活用されることが期待されている。
ここでは、わが国独自の造血器腫瘍遺伝子パネル検査の開発に至る経緯と社会実装に向けた課題、ゲノムプロファイリングの有用性と臨床応用における課題、そして生殖細胞系列バリアントの検出とそのフォローという、造血器腫瘍遺伝子パネル検査に関わる3つの重要なテーマを取り上げ、それぞれの専門家に解説いただいた。
(責任編集 坂田(柳元)麻実子)
ゲノムプロファイリングにより、治療薬選択のみならず、より正確な診断と予後予測に基づく精緻な治療法選択が可能に前田高宏(九州大学大学院 医学研究院 プレシジョン医療学分野)2024.09.26がんゲノム情報を活用したがんゲノム医療は、わが国では固形がんを対象に遺伝子パネル検査が保険収載されすでに臨床応用されている。一方、造血器腫瘍では変異をきたす遺伝子異常の種類が固形がんとは異なり、固形がんの遺伝子パネル検査をそのまま用いることができないことから、造血器腫瘍に特化した遺伝子パネル検査が開発され、ごく最近、薬事承認された。パネル検査開発の経緯については他稿(片岡圭亮先生「わが国独自の遺伝子パネル検査を開発」)に譲り、ここでは、造血器腫瘍領域における遺伝子パネル検査の有用性と、臨床応用に向けた課題について概説する。
この論文に注目!Focus On
2024年9月の注目論文(Vol. 2)2024年9月の注目論文(Vol. 2)伊豆津宏二(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科 科長)2024.09.26血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2024年9月分(Vol. 2)は、伊豆津宏二氏が担当します。
学会カレンダーCongress Calendar
2024年9月~2025年2月開催分を掲載しました2024年9月~2025年2月開催分を掲載しました2024.09.26
最新の血液疾患解説Comments On Hematology
わが国独自の遺伝子パネル検査を開発 多くの医師・研究者の協力のもとに作り上げる特集造血器腫瘍ゲノム医療(1)2024年3月に造血器腫瘍遺伝子パネル検査が承認申請され、臨床実装に向けた準備が進んでいる。わが国で独自に開発された遺伝子パネルであり、承認されれば多くの造血器腫瘍の診断や予後予測、治療法の選択に活用されることが期待されている。
ここでは、わが国独自の造血器腫瘍遺伝子パネル検査の開発に至る経緯と社会実装に向けた課題、ゲノムプロファイリングの有用性と臨床応用における課題、そして生殖細胞系列バリアントの検出とそのフォローという、造血器腫瘍遺伝子パネル検査に関わる3つの重要なテーマを取り上げ、それぞれの専門家に解説いただいた。
(責任編集 坂田(柳元)麻実子)
わが国独自の遺伝子パネル検査を開発 多くの医師・研究者の協力のもとに作り上げる片岡圭亮(慶應義塾大学 医学部 血液内科・国立がん研究センター研究所 分子腫瘍学分野)2024.09.192024年3月29日、造血器腫瘍遺伝子パネル検査が承認申請された。これは、国立がん研究センターと大塚製薬を中心とする5団体のコンソーシアムにより開発されているわが国独自の遺伝子パネル検査で、検査結果に基づいて多くの造血器腫瘍の診断、予後予測、治療法選択が可能になることが期待される。ここでは、造血器腫瘍遺伝子パネル検査の開発に至る経緯と、今後の社会実装に向けた課題などについて述べる。
血液学の最新論文New Reports On Hematology
2024年7月〜8月分を掲載しました2024年7月〜8月分を掲載しました2024.09.19
新薬情報New Drug
2024年8月に承認および承認申請された血液領域の医療用医薬品・再生医療等製品はありませんでした2024年8月に承認および承認申請された血液領域の医療用医薬品・再生医療等製品はありませんでした2024.09.19
学会レポートCongress Report
重症再生不良性貧血の新たな治療戦略EHA2024レポート⑫ EHA-JSH Joint Symposium重症再生不良性貧血の新たな治療戦略細川晃平(金沢大学 血液内科学)2024.09.12EHA-JSH Joint Symposiumでは、金沢大学血液内科学の細川晃平氏が、日本および欧米における最新の重症再生不良性貧血AA(SAA)治療アルゴリズムを紹介するとともに、移植以外の新たな治療とそのエビデンスについて概説した。
この論文に注目!Focus On
2024年9月の注目論文(Vol. 1)2024年9月の注目論文(Vol. 1)坂田(柳元)麻実子(筑波大学 医学医療系 血液内科 教授)2024.09.12血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2024年9月分(Vol. 1)は、坂田(柳元)麻実子氏が担当します。
学会レポートCongress Report
2回目同種移植の前処置強度が予後にもたらす影響 慢性GVHDを有する患者にはRICが有用EHA2024レポート⑪ 日本からの演題2回目同種移植の前処置強度が予後にもたらす影響 慢性GVHDを有する患者にはRICが有用吉村一樹(自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科)2024.09.05強度減弱前処置(RIC)は、骨髄破壊的前処置(MAC)と比較して非再発死亡率(NRM)を低下させる可能性があるが、それと同時に再発のリスクも高まる。吉村氏は「NRMリスクが高い患者では、2回目の同種造血幹細胞移植(HCT2)においてRICがより適しているかもしれない。しかし、HCT2に関するこれまでの研究のほとんどは、特定の疾患を対象としており、患者数が限られているため、NRMに影響を与える要因を完全に解明できていない。つまり、どのような患者にRICが有効かについてのコンセンサスはまだ得られていない」と述べた。そこで吉村氏らは、数種類の造血器腫瘍の患者を対象とし、HCT2における移植前処置が予後に及ぼす影響をリスク因子ごとに評価した。