血液専門医と医療関係者のための情報サイト「ヘマトパセオ」

血液学の最新論文(2020年12月分) 会員限定コンテンツになりました。会員登録をお願いします すべて見る

新着記事What's New

学会レポートCongress Report
ダラツムマブ皮下注射とポマリドミドの併用で再発・難治性多発性骨髄腫のPFSを有意に改善ASH2020注目テーマ 「治療を変える臨床試験結果」#412血液疾患領域では、既存のパラダイムを大きく変える研究や新規治療法の開発が常に進められている。ここでは、ASH2020で発表された多くの臨床試験の中から、臨床現場に大きな影響を及ぼす可能性のある報告を紹介する。高齢の骨髄異形成症候群(MDS)患者に対する同種造血幹細胞移植による全生存率の向上、再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対するダラツムマブの皮下注射とポマリドミド、デキサメタゾン併用による無増悪生存期間(PFS)の延長、ステロイド抵抗性/依存性の慢性移植片対宿主病(GVHD)に対するルキソリチニブの有効性、ルーティンで投与することが多いトラネキサム酸の出血予防効果の検証の4題である。ダラツムマブ皮下注射とポマリドミドの併用で再発・難治性多発性骨髄腫のPFSを有意に改善Meletios A. Dimopoulos(National and Kapodistrian University of Athens in Athens, Greece)2021.01.21再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対し、抗CD38抗体であるダラツムマブの皮下注射剤とポマリドミド、デキサメタゾンの併用療法(D-Pd)は、ポマリドミドとデキサメタゾンの併用療法(Pd)に比べ、死亡または病勢進行のリスクを37%減少させることが明らかになった。これは、2つの治療法の有効性と安全性を比較した第Ⅲ相臨床試験APOLLO試験の結果。
学会レポートCongress Report
ステロイド抵抗性/依存性の慢性GVHDに対しルキソリチニブが従来治療の2倍近くの奏効率ASH2020注目テーマ 「治療を変える臨床試験結果」#77血液疾患領域では、既存のパラダイムを大きく変える研究や新規治療法の開発が常に進められている。ここでは、ASH2020で発表された多くの臨床試験の中から、臨床現場に大きな影響を及ぼす可能性のある報告を紹介する。高齢の骨髄異形成症候群(MDS)患者に対する同種造血幹細胞移植による全生存率の向上、再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対するダラツムマブの皮下注射とポマリドミド、デキサメタゾン併用による無増悪生存期間(PFS)の延長、ステロイド抵抗性/依存性の慢性移植片対宿主病(GVHD)に対するルキソリチニブの有効性、ルーティンで投与することが多いトラネキサム酸の出血予防効果の検証の4題である。ステロイド抵抗性/依存性の慢性GVHDに対しルキソリチニブが従来治療の2倍近くの奏効率Robert Zeiser(University Medical Center, Freiburg Im Breisgau, Germany)2021.01.21JAK1/JAK2チロシンキナーゼ阻害薬のルキソリチニブが、ステロイド抵抗性/依存性の慢性移植片対宿主病(GVHD)の症状を大きく改善することが、ランダム化第Ⅲ相臨床試験REACH3試験の結果、明らかになった。報告したドイツのRobert Zeiser氏は「この結果は、ステロイド抵抗性/依存性の慢性GVHD患者に対する治療を大きく進歩させるものといえる。慢性GVHDに対する二次治療として推奨され、ガイドラインを変える指標になるだろう」と述べた。
学会レポートCongress Report
高齢のMDS患者に対して同種移植は推奨される HLA8/8一致ドナーがいればOSは良好ASH2020注目テーマ 「治療を変える臨床試験結果」#75血液疾患領域では、既存のパラダイムを大きく変える研究や新規治療法の開発が常に進められている。ここでは、ASH2020で発表された多くの臨床試験の中から、臨床現場に大きな影響を及ぼす可能性のある報告を紹介する。高齢の骨髄異形成症候群(MDS)患者に対する同種造血幹細胞移植による全生存率の向上、再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対するダラツムマブの皮下注射とポマリドミド、デキサメタゾン併用による無増悪生存期間(PFS)の延長、ステロイド抵抗性/依存性の慢性移植片対宿主病(GVHD)に対するルキソリチニブの有効性、ルーティンで投与することが多いトラネキサム酸の出血予防効果の検証の4題である。高齢のMDS患者に対して同種移植は推奨される HLA8/8一致ドナーがいればOSは良好Corey Cutler(Division of Stem Cell Transplantation and Cellular Therapy, Dana-Farber Cancer Inst., Boston, MA)2021.01.1450〜75歳の高リスクの骨髄異形成症候群(MDS)で、強度減弱前処置(RIC)を用いた同種造血幹細胞移植の対象となった患者のうち、HLAアレル8/8適合ドナーがいた患者と、適合ドナーがいなかった患者の3年全生存率(OS)を比較したところ、8/8適合ドナーのいた患者のOSは、そうでない患者の2倍近くに向上したとの臨床試験結果を米国・ダナファーバーがん研究所のCorey Cutler氏が報告した。
学会レポートCongress Report
中和抗体が存在してもAAVベクターによる血友病の遺伝子治療に成功ASH2020注目テーマ Late-Breaking Abstracts Session #6中和抗体が存在してもAAVベクターによる血友病の遺伝子治療に成功Steven W. Pipe(University of Michigan, Ann Arbor, MO)2021.01.14アデノウイルス随伴ウイルス(AAV)をベクターにした血友病の遺伝子治療ではAAVカプシドに対する中和抗体の存在が問題視されてきた。米国University of MichiganのSteven W.Pipe医師とuniQure社のグループは中和抗体を持つ患者を含む血友病B型患者を対象にしたPⅢ試験を実施した。その結果、中和抗体が存在しても凝固因子活性を上昇させ、出血の発生率を減らすことができることを確認した。
この論文に注目!Focus on
会員限定コンテンツになりました。すべてお読みいただくには会員登録をお願いします。2021年1月の注目論文2021年1月の注目論文柴山浩彦(大阪大学大学院 医学系研究科 血液・腫瘍内科学 准教授)2021.01.14血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年1月分は、柴山浩彦氏が担当します。
学会レポートCongress Report
BCR-ABL特異的アロステリック阻害薬asciminibがCMLの3次以降治療に有望ASH2020注目テーマ Late-Breaking Abstracts Session #4BCR-ABL特異的アロステリック阻害薬asciminibがCMLの3次以降治療に有望Andreas Hochhaus(Klinik für Innere Medizin II, Jena, Germany)2021.01.07様々なチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場によって慢性骨髄性白血病(CML)の治療は飛躍的な進歩を遂げた。しかしそのCMLの薬物療法でも2剤以上で治療抵抗性となった患者に対する有効な治療薬は存在しない。この問題を克服すべくデザインされた、既存のTKIとは異なった標的を持つBCR-ABL特異的アロステリック阻害薬asciminibのPⅢ試験の結果が報告された。有効性と安全性で現在の標準的なTKIであるボスチニブを凌ぐ結果で、CMLの治療に新たな扉を開くことが期待される。
学会レポートCongress Report
MPNのドライバー遺伝子変異は 出生前や小児期にすでに生じているASH2020注目テーマ Late-Breaking Abstracts Session #1MPNのドライバー遺伝子変異は 出生前や小児期にすでに生じているJyoti Nangalia, MBBChir(Wellcome Sanger Institute, Hinxton, United Kingdom)2021.01.07クローン性造血変異は加齢とともに増加することが報告されてきたが、最初の変異は胎児期に獲得されることが明らかになった。英国のJyoti Nangalia, MBBChir氏のグループは骨髄増殖性腫瘍(MPN)患者のシングル・セル・ゲノム解析を縦断的に行なうことによって、患者1人ひとりの遺伝子変異の系統樹を作成することに成功した。MPNでは、胎児期や小児期で最初の遺伝子変異を獲得、クローン拡大を経て30年から40年の年月を経て発症する患者が少なくないことがわかった。ゲノム解析による早期診断、早期介入の可能性を示唆する結果である。
学会レポートCongress Report
遺伝子変異解析やT細胞による追加免疫など 血液学に基づきCOVID-19を解明、治療に道筋ASH2020 Advancing the Study of COVID-19遺伝子変異解析やT細胞による追加免疫など 血液学に基づきCOVID-19を解明、治療に道筋2020.12.24血液疾患の患者は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が重症化しやすい上、化学療法や免疫療法、造血幹細胞移植などによりさらに重症化リスクが高くなっている。新型コロナウイルスの感染により血栓など血液学的な合併症も起こりやすい。こうした背景から、全世界で血液内科医がCOVID-19の病態解明や、重症化を食い止める治療法の開発を進めている。ここでは、ASH2020で報告されたCOVID-19関連の演題の中から、重症化した患者の遺伝学的背景の研究、COVID-19から回復した患者のT細胞を用いた追加免疫治療の試み、造血器腫瘍患者の統計などについて紹介する。
この論文に注目!Focus on
会員限定コンテンツになりました。すべてお読みいただくには会員登録をお願いします。2020年12月の注目論文(Vol. 2)2020年12月の注目論文(Vol. 2)坂田(柳元)麻実子(筑波大学 医学医療系 血液内科 准教授)2020.12.24血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2020年12月分(Vol. 2)は、坂田(柳元)麻実子氏が担当します。
学会レポートCongress Report
第62回米国血液学会がバーチャルで開催 須田年生氏がE. Donnall Thomas賞を日本人初受賞ASH2020 E. Donnall Thomas Lecture and Prize第62回米国血液学会がバーチャルで開催 須田年生氏がE. Donnall Thomas賞を日本人初受賞2020.12.17第62回米国血液学会(ASH2020)が、2020年12月5〜8日に開催されました。サンディエゴ市での開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な蔓延に対応し、初のバーチャル開催となりました。血液学分野での先駆的研究内容に対して贈られるE. Donnall Thomas賞は、シンガポール国立大学がん研究所教授の須田年生氏が受賞しました。1992年に創設された同賞を日本人が受賞するのは初めてです。
この論文に注目!Focus on
会員限定コンテンツになりました。すべてお読みいただくには会員登録をお願いします。2020年12月の注目論文(Vol. 1)2020年12月の注目論文(Vol. 1)伊豆津宏二(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科 科長)2020.12.10血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2020年12月分(Vol. 1)は、伊豆津宏二氏が担当します。
この人に聞くThe Experts
造血器腫瘍の研究と治療の進歩を先導 東北大学、秋田大学の血液学の礎を築く(後編)造血器腫瘍の研究と治療の進歩を先導 東北大学、秋田大学の血液学の礎を築く(後編)柴田昭(新潟南病院 名誉院長、新潟大学 名誉教授)2020.12.03気が付けば、東北大第二内科では血液グループが最大派閥になり、私はその間に講師になっていました。そして1970年に新設された秋田大学の助教授に着任しました。鳥飼先生から、秋田大学で新しく血液内科を立ち上げたいという相談を受けたと聞き、「研究は続けられる環境だ」と兄に説明したところ、賛成してくれました。秋田大学にはインターン2人と一緒に向かいました。
この人に聞くThe Experts
造血器腫瘍の研究と治療の進歩を先導 東北大学、秋田大学の血液学の礎を築く(前編)造血器腫瘍の研究と治療の進歩を先導 東北大学、秋田大学の血液学の礎を築く(前編)柴田昭(新潟南病院 名誉院長、新潟大学 名誉教授)2020.11.26「この人に聞く」のシリーズ第14回は、新潟大学名誉教授の柴田昭氏にお話をうかがいました。1956年に新潟大学で血液学の道を歩み始め、約半世紀にわたり、わが国の血液学の研究の発展、造血器腫瘍治療の進歩に貢献するとともに、血液内科のなかった東北大学、秋田大学に研究と診療の拠点を築きました。「研究の本当の面白さは、すべてを自分でやってこそ分かるもの。若手医師には、もっと元気を出して血液学に取り組んでほしい」とエールを送ります。
この論文に注目!Focus on
会員限定コンテンツになりました。すべてお読みいただくには会員登録をお願いします。2020年11月の注目論文(Vol. 2)2020年11月の注目論文(Vol. 2)木崎昌弘(埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授)2020.11.26血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2020年11月分(Vol. 2)は、木崎昌弘氏が担当します。
学会レポートCongress Report
個人のポテンシャルを最大に発揮するため 男性、女性の枠を超え多様な働き方の創出をJSH2020レポート⑤ 「女性医師シンポジウム第82回日本血液学会学術集会(会長:長崎大学原爆後障害医療研究所 原爆・ヒバクシャ医療部門 血液内科学研究分野(原研内科)教授・宮﨑泰司氏)が、2020年10月10日から国立京都国際会館を拠点にWEB開催された。全てのプログラムが11月8日まで約1カ月にわたりオンデマンドで視聴できるという、WEBならではの特長を生かしての学術集会となった。テーマは「血液学―多様性の追求」。オープニングセレモニーでは、宮﨑氏がこのテーマに込めた思いについて「基礎から臨床まで連続していること、多職種が関わる領域であること、若手からベテランまで関わることなど、多種多様な人材や研究テーマが血液学を発展させ、未来を切り拓く」と述べた。個人のポテンシャルを最大に発揮するため 男性、女性の枠を超え多様な働き方の創出を2020.11.192016年の日本血液学会学術集会に始まった「女性医師シンポジウム」は今回で4回目となる。今回、座長を務めた日本造血細胞移植データセンターの熱田由子氏は、「すべての医師にとってキャリア形成はチャレンジングな課題。特に、女性医師はライフイベントや家庭の事情の影響を受けやすく、マイノリティのためロールモデルを見つけにくい。このセッションが、一歩踏み出すための情報や言葉に出合える機会にしてほしい」と語った。シンポジウムの最後に座長の埼玉医科大学総合医療センター血液内科の得平道英氏は、「女性医師は男性医師とは質の違う苦労をしており、環境を整えることでポテンシャルの何倍もの力を発揮してもらえる可能性があり、それがいかに重要かを感じた」と述べた。