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2018年1月の注目論文(Vol. 2)

宮﨑泰司(長崎大学 原爆後障害医療研究所 所長)

2018.01.25

血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2018年1月分(Vol. 2)は、宮﨑泰司氏が担当します。

Guadecitabine (SGI-110) in treatment-naive patients with acute myeloid leukaemia: phase 2 results from a multicentre, randomised, phase 1/2 trial.

Lancet Oncol. 18(10):1317-1326

Kantarjian HM, Roboz GJ, Kropf PL, Yee KWL, O'Connell CL, Tibes R, Walsh KJ, Podoltsev NA, Griffiths EA, Jabbour E, Garcia-Manero G, Rizzieri D, Stock W, Savona MR, Rosenblat TL, Berdeja JG, Ravandi F, Rock EP, Hao Y, Azab M, Issa JJ

ここに注目!

新たなメチル基転移酵素阻害剤であるグアデシタビンの急性骨髄性白血病(65歳以上)に対する第Ⅰ/Ⅱ相試験の結果が報告された。年齢中央値77歳(62-92)の107例が初回治療として投与量/期間の異なる3群にてグアデシタビン治療を受け、50-59%の複合完全反応が得られた(治療群による差なし)。血球減少とそれに関連する感染症など(発熱性好中球減少症、肺炎、敗血症)が主な有害事象であった。投与スケジュールにかかわらず高い治療反応性が得られており、同様の集団を対象に、60mg/m2 x 5日投与スケジュールと通常療法との無作為比較第Ⅲ相試験が実施されている。

Impact of cytogenetic abnormalities in adults with Ph-negative B-cell precursor acute lymphoblastic leukemia.

Blood. 130(16):1832-1844

Lafage-Pochitaloff M, Baranger L, Hunault M, Cuccuini W, Lefebvre C, Bidet A, Tigaud I, Eclache V, Delabesse E, Bilhou-Nabéra C, Terré C, Chapiro E, Gachard N, Mozziconacci MJ, Ameye G, Porter S, Grardel N, Béné MC, Chalandon Y, Graux C, Huguet F, Lhéritier V, Ifrah N, Dombret H; Group for Research on Adult Acute Lymphoblastic Leukemia (GRAALL)

ここに注目!

フィラデルフィア染色体陰性の成人急性リンパ性白血病における初診時染色体核型の予後に与えるインパクトを、成人で強力化学療法が実施された542例で解析したフランスのGRAALLグループからの報告である。t(4;11)/KMT2A-AFF1、それ以外のKMT2A関連転座群、14q32/IGH転座群などを含む10群に染色体核型を分けて解析してある。その中ではt(4;11)/KMT2A-AFF1及び14q32/IGHの転座群の二つが有意に予後不良な核型群であり、複雑核型、monosomal karyotypeは予後不良とは関連しなかったと報告している。

Rituximab-based first-line treatment of cGVHD after allogeneic SCT: results of a phase 2 study.

Blood. 130(20):2186-2195

Malard F, Labopin M, Yakoub-Agha I, Chantepie S, Guillaume T, Blaise D, Tabrizi R, Magro L, Vanhove B, Blancho G, Moreau P, Gaugler B, Chevallier P, Mohty M

ここに注目!

慢性GVHDは移植後後期の非再発死亡の主な原因となっている。この研究は重症慢性GVHD15例を含む24例の慢性GVHD症例に初回治療としてシクロスポリン、コルチコステロイドに加えてリツキシマブを投与してその効果を検討した第Ⅱ相試験である。24例中20例で1年後に治療反応が維持されており、検討可能な19例中14例でコルチコステロイドが中止できていた。1年全生存率は83%、1年の非再発死亡率は14%であった。リツキシマブ投与後にPD-L1高発現B細胞が増加していること、濾胞性ヘルパーT細胞が減少していることが、治療効果と関連している可能性を示している。